土の力で社会を変えたい

みなさん、こんにちは。ソイル・コミュニケーション合同会社代表の松田文雄です。
雑誌編集者、IT企業、大学の産学連携部門と、私のキャリアは一見バラバラです。しかしその根底にあったのは、「人と知識をつなぎ、社会の役に立つ仕組みをつくりたい」という一貫した思いでした。
立命館大学の産学連携部門に携わるなかでSOFIX(土壌肥沃度指標)に出会い、これが転機になりました。土壌の微生物の活動を数値化し、有機農業に科学的な処方箋を与えるこの技術は、農業だけでなく、社会課題の多くを解く鍵になり得ると直感しました。以来、農業の現場で農家・企業・自治体と伴走しながら、「土づくり」の力と可能性を体感し続けてきました。
土の現場で見えてきた、4つの課題
農業の現場を歩き続ける中で、見過ごせない課題に繰り返しぶつかってきました。そして今、私たちはそれぞれに対して、4つの具体的なソリューションを提案しています。
新規就農をギャンブルにしない
農業に挑戦しようとする人の多くが、土壌状態の悪い農地を押しつけられたまま就農し、経営に行き詰まる現実があります。事前にSOFIX土壌診断で農地を評価し、農地バンクや自治体と連携することで、新規就農者が確信を持ってスタートを切れる仕組みをつくりたいと考えます。
バイオスティミュラントの真価を、科学で証明する
農業資材メーカーと農家の間には「本当に効くのか分からない」という不信の溝があります。SOFIXで製品の土壌改善効果を客観データで示すことが、この溝を埋めます。「良いはず」を「確信」に変える架け橋になります。
校庭を、地球を守る「貯炭層」に
芝生化された校庭の土壌が炭素を貯留するという事実を、私たちは神戸学院大学との共同研究で科学的に実証しました。学校・自治体・ESG投資を行う企業をつなぐ脱炭素共創モデルは、子どもたちの環境教育と企業の社会貢献を同時に実現します。校庭が、地球温暖化への答えの一つになれると信じています。
土と水と養生が紡ぐ、ネイチャーポジティブなまちづくり
2018年にがんの診断を受けたことが、食と健康を改めて問い直す契機になりました。土壌微生物と腸内微生物の深い関係が示すように、土の健康と人の健康はつながっています。科学的な土づくりと東洋の養生の知恵を組み合わせ、地域全体が心身ともに豊かになる仕組みをつくりたい。これは私にとって、最も個人的な、そして最も社会的な課題です。
おわりに
「楽しく」は、私たちのキーワードです。深刻な課題であっても、それに向き合う姿勢は前向きで、創造的であるべきだと考えています。
農家・企業・自治体・NPO——同じ志を持つ皆さんと伴走しながら、土から始まる持続可能な社会を一緒につくっていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
松田文雄
ソイル・コミュニケーション合同会社 代表社員
奈良女子大学 社会連携センター 特任教授
SOFIX診断士
| 2003.2~2018.3 | 立命館大学 産学官連携コーディネーター |
| 2018.4~2022.5 | 一般社団法人SOFIX農業推進機構 理事・事務局長 |
| 2022.8~2024.10 | 奈良国立大学機構 奈良カレッジズ連携推進センター 特任教授 |
| 2023.3~ | ソイル・コミュニケーション合同会社設立 代表社員 |
| 2024.10~2026.3 | 奈良国立大学機構 奈良カレッジズ連携センター 教授 |
| 2026.4~ | 奈良女子大学 社会連携センター 特任教授 |